2026年6月1日月曜日

スーパースワン D101S その後

 【スーパースワン 低域量感調整(パイプ音の改善)】 2020.11/3

音工房ZからいただいたPDFファイルを参考に、気になる中低域のパイプ音調整を試みた。

スーパースワンの低音は、ユニット背面から内部音道を通ってきて最後に背面の開口部から放射されるのだが、その最終段階で半分強、せき止めるような感じになる。これは「BHBS」の手法だ。

BHBS:バックロードホーン・バスレフ。バックロードホーンの最終開口部を適切に「絞る」ことで、中低域のパイプ音を抑え込み、かつローエンドも伸ばすことを狙った、音工房Zお得意のエンクロージャ方式だ。バックロードホーンとバスレフのいいとこ取りのような感じになる。

最終音道の奥行110mmのうち半分強を塞ぐのが良いようだが、あまり塞ぎすぎるとかえって低音が出なくなる。ホームセンターの工作室で、55mm、65mm、75mmの板を4枚ずつカットしてもらった。余りがちょうど45mmになったので、10mm刻みで45mm~75mmの効果を試そうと思えば試せるが、、まぁあまり変えることもないかも。

ただ、若干の欠点はあっても「オリジナルのスーパースワン」の状態に戻せるようにしておきたいのと、板の交換もできるようにはしておきたいので、塞ぎ板のほうには鬼目ナットを埋め込み(このため、木口が弱いベニヤを避けて板厚18mmの集成材にしてある)、本体には通し穴をあけて、六角穴付ボルトで締めた。けっこうしっかり締まったので、接着したのと同程度の効果にはなるだろう。他の板材にも同位置に鬼目ナットの埋め込みをしておけば交換することもできるし、オリジナルに戻すなら外せる。(穴が気になればボルト・ナットで止めればいい)

推奨の範囲内で65mmを採用したが、今のところ「効果絶大」と感じている。



後日、ボディ天板の穴から砂粒状鉛を15kg、左右それぞれ7.5kgに分けて、ビニール袋に入れた状態で詰め込んだ。長岡氏の著書にも、「この鉛はパーツのひとつとして考えて欲しい。」との記述もあるからだ。これで本当に完成である。

スーパースワン D101S 塗装(3)

正面の塗装が完了。塗装後の磨きにはなんとなくキンチョーの「サッサ」を使ってみたら適当なツヤも出て良い感じだった。


鬼目ナット部分のマスキングシールをくり抜くのが地味に面倒だな....と思っていたが、以前革細工の時に持っていたポンチがちょうど良いサイズで、印鑑を押すような感じで簡単に塗膜が抜けた。

内部にクイックルワイパー製の簡易吸音材を両面テープ止めし(まずいとなれば外すのも簡単)、背面にはターミナルを取り付ける。いよいよ完成へ。 


フォステクスの10cmフルレンジユニット、FE108EΣを取り付ける。ユニットには一応木ねじが付属してはいるのだが、鬼目ナットを埋め込んでいるので、別途用意した六角穴付きボルト(M4x12mm)を使用。ホームセンター等で売ってるのは銀色のボルトしかなく、似合わないと思っていたので、わざわざM4x12mmのブラックステンレス製のボルトを注文してあった。見栄え大事。
やっと完成!!(でも深夜のため音出しできず。明日まで我慢!)

完成と書いたが、、、日中の光で見るとあまりにも色ムラの許せない所が、、、

結局ボディ天板にもうひと塗りして完成とした。 音出しの感想は…これが良くも悪くもバックロードホーンなのかな、と。中低音に独特の共鳴があり、ソースによっては耳につく。 鳴らし込むと(エージング)改善してくるとは、とくにスワンの場合よく聞くが。 包み込まれるような音場感はさすがに素敵だと思う。とにかく、憧憬のあった「スワンが作れた!」ってことで満足。

スーパースワンを、故 長岡鉄男氏が設計されたのは1992年、もう30年以上前になる。これは、当時フォステクスから限定販売されていた10cmフルレンジ、FE108Superを使用するのを大前提として設計されたエンクロージャ(箱)だ。
箱と、それに装着するスピーカーユニットには密接な関係があり、相性の悪いユニットだと箱の能力が活かせない、ということが起こる。スーパースワンはバックロードホーンの一種であり、当時の限定ユニットは入手できなくても、特性が似ている、少なくともバックロードホーン用として作られたユニットということで、今回はFE108 EΣを選択した。
スワン系の特徴としては、包み込むような音場感が素晴らしいこと、10cmユニットのスピーカーとしては非常に低音がよく出ること。欠点としてよく言われるのが、中低域のボーボーというパイプ共鳴音。今回作ったスワンでもやはりこの共鳴音があり、クラシック、とくに弦楽器の再生では好ましい響きとして耳に届くが、ポップス系ではバスドラの響きが強調され過ぎて不快にも感じる。
スワン系は昔から非常に多くの人が作っているので、その欠点もよく知られている。自分がスピーカー自作にはまったきっかけの「音工房Z」でも、スワンの低域量感調整キット、なるものを販売していた時期があった。ものとしては単なるベニヤ板であり、スワンの背面、最終開口部の音道を狭く絞ることによってパイプ共鳴音が減らせるという評判。
問い合わせたところ、「在庫なし、おそらくこのまま絶版予定」とのことだった。が、おそらくは商品に付属するであろう解説PDFファイルを頂くことができ、「参考にしてご自身でベニヤを付けられれば調整可能です」との連絡をいただいた。
PDFを参考に適当と思われる寸法でベニヤをクランプで仮止めしてみると、劇的な効果あり。
最終的にはネジ止めすると思うが、音道をどれくらい絞ったら一番効果が高いのか、数種類の板サイズで試してみようと思う。

セッティングについて追記する。鉄筋コンクリート部屋、しかも部屋の隅というのは最も低音がこもりやすい環境であり、隅から離す、スピーカーの高さをとる(インシュレータ等を使用して床から離す)、等をすることによって過度な低音というのは相当に軽減される。左の写真のような「足」を6個作り、左右のスワンそれぞれの前端に2個、後端に1個置いた(このような3点支持は長岡氏も推奨している)。試行錯誤でこのセッティングに落ち着いてくるまでの間、当然スピーカーのエージングも進んでいるわけで、製作直後に比べて見違える(聴き違える?)ほど聴きやすい音になってきている。





スーパースワン D101S 塗装(2)

・次に背面。非常に苦労している。凹凸が多めなのと、何より背面にはバックロードの開口部がある。この内面をハケ塗りするのが予想以上に大変だった。ハケでムラなく塗るのは非常に難しく、ここを完璧に塗装している人は、接着部分をマスキングしてあらかじめ塗装してから箱組みをしていることが多い。
だが、板の向きを変えたり裏返したりして誤差修正しながら箱組みをしている自分にはその方法は取りにくい。
ただ、底面程度の濃さまで塗り重ねをすることによってだいぶムラは目立たなくなるはずなので、できるだけやすりがけをしながら少しでも均一になるように努力はする。(まぁ、使ってる時には全く見えない部分だが。) 



最初に塗った底面を下にして、上面を塗装終了。このように「塗った面を下にする」というのがとても心配。以前の作で、微妙に塗装面に汚れが付着したり、逆に部分的に塗膜がはがれてきたりすることがあったが、、一応大丈夫だった。
まぁ、底面は何かあっても目に入らないし。

横にして、片側の側面を塗装。色はこんなもんだろう。
これをひっくり返して、今塗った面を下にして反対側の側面を塗る時が怖いが。
「ユニット周辺にクイックルワイパーのような、軽い吸音材を入れると良い」という先人の知恵があって用意しているんだが、これを広げて下に敷いてやると塗膜保護によさそうな気もするので、やってみるつもり。


クイックルワイパーは良かった。滑りがよく、重量がかかってもくっついたりすることがない。塗装後も全く大丈夫だった。
さてこれで残りの面は正面だけになった。ここでの注意はやはりバッフル部分。スピーカーユニットを取り付けるための鬼目ナットが埋め込んであるので、塗料が入り込むとネジ穴が埋まって取り付け不能に陥る。
100均で買った円形マスキングシールを鬼目ナットの上に貼る。大きさピッタリ。あとで剥がすつもりはなく、この上からどんどん塗装してしまう。薄いシールなので、ユニット取り付け時にデザインナイフ等で円形にくり抜いて取り付ければ良い。











スーパースワン D101S 塗装(1)

 箱の完成後、すぐに塗装にかかる。今回は箱の凹凸が複雑なのでオイルフィニッシュにしようかと当初は考えていた。が、余り板で試し塗装をしてみたところ、塗装というよりもなんだか土で汚れたような感じになってしまい、断念。シナベニヤ表面との相性が悪いのかもしれない。結局、過去作で下手なりにある程度慣れている、水性ウレタンニスで塗装することにした。

・ひっくり返して底面から始める。最初に塗装をした面は、あとで他面を塗装している時に下向きになることがあるので汚れやすい。一番目立たない底面、次に背面と塗装していき、一番最後に目立つ前面を塗る、というのがこれまでのささやかな学習結果だ。1000番のペーパーでできるだけツルツルになるように研磨後、水性サンディングシーラーを3回塗り。

・その後、まずはツヤありウォルナット色を3回塗り、
・次にツヤ消しウォルナットも3回塗り。
・最終的には黒に近い、かなり濃いツヤ消しウォルナット色にしたい。ウォルナットだけの塗り重ねだと回数の割にあまり濃くならないので、「ツヤ消しウォルナット+ツヤ消しブラック」の混合塗装とした。まだ濃くしたい。



・最終的に色はこの底面程度の濃さを基準にすることに。他面を塗る際に若干の差異は出るだろうが、まぁ同じように見えればいいかなと。