2026年1月26日月曜日

FM-8の高速化

 昨年(2025年)11月のことになるが、FM-8用のメインMPU高速化基板を作製したので、これも備忘録的に記事にしておく。

FM-8というマシンは大学時代に最初に所有したマイコンであり、思い入れも強い。昔の所有当時も、FM-7登場の悔しさから、比較的簡単にできるサブシステムの倍速化や、当時の月刊I/O(アイ・オー)誌掲載のカラーパレットボードなど、いくつかの高速化・高機能化に手を出している。

当時にもあった「インターフェース」誌(少々敷居が高く感じていて購読していなかった)にもFM-8高速化の回路図が掲載されていたようで、今の自分の知識なら回路図から基板を起こすことも可能かと思い、やってみることにした。


上の回路図が、インターフェース誌、1983年7月号からの抜粋。このようなTTL-IC数個の回路でも、IC規格表など見ながらKiCadに落とし込むのに四苦八苦。ようやっと完成したのが左下の基板プレビュー、および右下の完成基板である。回路図には書いてないが、電源付近の電解コンデンサ、TTL-IC 1個につきパスコン1個はお約束で入れてある。必要な信号はFM-8本体のZ80カード用のコネクタ(左側)ほか、FM-8本体内のいくつかのICから拾ってくることになり、そのための端子が左上の20ピンヘッダと、左下および右下の計4個の端子だ。電源については、基板右端の「V.」「G.」としてあるところに、Z80用コネクタの反対側(右側)に、+5vとGNDがあるので、そこから引っ張ってくることとした。



高速化基板実装(完成)。



基板装着前、FM-8側の下準備。


今回の高速化基板はメインCPU側だが、サブCPU側の高速化は簡単で、この画像ですでにすませてある。画像の赤字、サブCPU(パーツ番号M17)の38ピンを浮かせて、M186のIC、14ピンと接続するだけだ。この接続したものを、今回製作した基板にも接続することになるので、ピンヘッダにささるケーブルをつけてある。(他のICから信号を取るところも同様)

この「インターフェース」誌でも、他誌の記事でもみられるが、高速化の障害になりやすい(速度についてこれない)素子が、主にブートROMとCG.ROMのようなので、その2個については念のため2732A(EP-ROM)に焼き直しをしてある。(オリジナルのままだと、起動しなかったり、画面・キャラクタ表示が乱れる可能性がある)

FM-8本体に使用されているマスクROMは、ブートROM・CG.ROMいずれもMB8516なので、2732Aだと容量が倍になる。21番ピン(A11)をVcc.に吊って、高位のほう(&H0800~&H0FFF)にオリジナルデータを書く、のが正統だと思うが、横着して高位と低位(&H0000~&H07FF)にも同じデータを書いてある。まぁ動いているようだからいいか。(適当)


高速化基板にパーツを実装したものを、FM-8に組み込んだ状態。右側のサブCPUと、電源ユニットの下にかくれているメインCPUにもケーブルをハンダ付けする必要があるが、CPUに直接、ではなく、ソケットを使用して、そのソケットの足にケーブルをハンダ付けしている。(本体基板のソケット+加工したソケット+CPU、という形)

高速化の結果。

BASIC言語で1~1000を順に表示してその時間をはかる、という適当テストプログラム(左上)。
左下がノーマル(メイン・サブとも無改造)。右上はサブシステムのみ高速化した結果で、この時点でほぼ倍近い速度が出ている。加えてメインも高速化(右下。今回の高速化基板)した状態だとそれよりももう少しだけ速くなった、という状態。これはまぁ、PRINT文など、画面表示がサブシステムへの依存度が高いために予想できたことではあった。

まぁとにかく、回路図から基板を起こして実装、、、という、これまで自分でやれなかった事ができた、ことでホッとしている。

【注】FM-8(FM-7や日立S1なども)は心臓部がモトローラ系なので、意識して「MPU」と表記することが多いのだが、うっかりすると画像や文章の中で「CPU」と書き込んでいることもある。まぁ両者はほぼ同義なので、深くツッこまないで欲しい。

2026年1月25日日曜日

63C09カード・小改造

 前記事のレプリカ基板は、オリジナル基板を可能な限り忠実に再現したもので、実用的にはいじる必要性はどこにもない。ただ、基板にパーツを実装する上で、こうなっていると実装しやすいかも、という点は散見されるので、おこがましいがわずかな改造を試みた。今の時代、KiCadでのパーツ配置・配線変更でこういうことがわりと簡単にできるのが有難い。


赤線で囲んだ部分がパーツ配置をいじった場所で、主にDIPスイッチ下の抵抗・コンデンサの配置を縦に揃え、パーツ同士の間隔も調整した。抵抗やダイオードは実装に余裕があるが、電解コンデンサとなっている10μFのCはオリジナル基板では少々狭く、仮にタンタルや積層セラミックを使うとしても縦間隔にはもう少し余裕が必要と考えた。また、足を少々広げる必要があった0.1μFのC(パスコン)は標準的な足間隔(7.62mm)とした。10k抵抗もオリジナルのまま7.62mmと変えていないが、この足間隔だと1/8Wなどの小型抵抗のほうが収まりが良い。SRAM下部の抵抗(47k)のように標準サイズを前提として足間隔を広げても、DIPスイッチの横幅と同一になるためそれでも悪くなかったかもしれない。

もう1か所、MPU下部の電解コンデンサについて。この電解コンデンサのパターンを横から縦に変更しているのは、背の高い(12mm程度)電解コンデンサを実装してもそれを横倒しにしやすいように考慮したためだ。このカードをFM-7本体に実装する場合、このあたりのコネクタ近辺は筐体の前後幅が短く、電解コンデンサの高さによっては筐体に当たることがある。オリジナルのままでも、若干傾けたり、ルビコンMH5/MH7のような背の低いコンデンサを使用すれば全く問題はないが、やってマイナスにはならないだろう、と。

2026年1月24日土曜日

63C09カード・GAL

 63C09カード用のPAL・GALについて、備忘録メモ。

63C09のオリジナルカードには、4個のPALが使われている。PALとは、いくつかのTTL-ICを1個のパッケージにまとめることができる、プログラマブルのロジックICだ。Oh!FMの製作記事には、本来なら15個のTTLが必要なところ、4個のPALですんだ、という山西様の記載がある。

GALは、簡単に言えばPALの進化版で、電気的に初期化して再利用ができる、ほとんどのPALについて上位互換である、CMOSで低消費電力おまけに高速と、劣ったところがなく、わざわざGALでなくPALを選択する理由はない。

オリジナルカードには、PAL16L8Aが3個、PAL16R6Aが1個使われている。2種類という訳だが、その両方とも、同一のGALに置き換えることができるので、結果、GAL16V8 というGALが4個あれば済む。

オリジナル製作者の山西様、およびPALからGALへの置き換え時にプログラムを修正された関根様に話を伺ったところ、GALについては、当時のロジックのゲート遅延に合わせているため、「GAL16V8A-25」を選択しているとのことだった。そのため、型番末尾が -20、-15、-10 のような高速タイプでは、周辺回路とのタイミングが合わず動作しないことが確認できている、とのこと。

63C09レプリカ基板を使って2台目製作を試みていた時、速ければそのほうが良いのだろう、、と、GAL16V8B-7 を使用したことがあったが正常動作せず、その後、ヤフオク等でGAL16V8A-25を入手し、無事に動作した、という経緯がある。

なお、アクセススピードが同じ -25 のGALでも、世代が新しいと微妙な差異があってダメらしく、GAL16V8D-25 で試したことがあったがそれでも動作しなかった。

本家LatticeのGALでは、GAL16V8A-25 以外に動作するものを見つけられていない。(A世代ではなく、無印の GAL16V8-25 なら大丈夫なのかもしれない)

ただ、ダメモトで入手した、互換品であるAtmelの ATF16V8B-15PU は、-15 であっても動作することが確認できている(2026年1月現在、若松通商に在庫あり)。メーカーによっても若干の差異があるのかもしれない。

なおこのような、「動作する・動作しない」というのは、GALの実装位置によっても左右されるらしい、ということも追記しておく。レプリカ基板にパーツを実装した完成品は下の画像のものになるが、

4個のGALのうち、KA2P・KA4P、つまり63C09EP(MPU)に近いほうの2個が上記制限を受けやすいようだ。KA1P・KA3P 、つまりMPUから遠いほうの2個は、GALの速度や世代にかかわらず、(手持ちのものに限るが)どのようなGALを使用してもカードは正常に動作した。

つまり、KA2P・KA4Pの位置に「GAL16V8A-25」または「ATF16V8B-15PU」を使用すれば、KA1P・KA3Pの位置は「GAL16V8D-7」などを使用してもおそらく動作すると思われる。

ただこれは実験した結果が一応そのようであった、というだけのことであり、回路設計者(山西様)の意図した事ではないと思う。入手できるのであれば、4個とも GAL16V8A-25 等、問題のないGALにしておいたほうが無難だろう。(上記画像では ATF16V8B-15PU を使用している)


2026年1月22日木曜日

63C09カード・レプリカ基板

 FM-7用63C09カードに使用されているパーツには、(若干入手難なものもあるが)現在でも新規入手が可能なものと、ほぼ入手不可能なものがある。

汎用ロジックICや抵抗・コンデンサなどは、秋月電子通商・樫木総業・若松通商 等で普通に購入可能。入手難なものとしては、心臓部のMPU「63C09EP」や高速動作可能なSRAM等があるが、これもヤフオクやeBayなどを利用すれば入手することはできる。

汎用品ではどうやっても新規購入ができないものがあり、GAL(またはPAL)と呼ばれる「プログラマブルロジックデバイス」と、全てのパーツを実装するべき「基板」である。

GALについては、正常動作している元のGALがあれば、市販のROMライタでその内容を読み出し、新規購入のGAL(入手難になりつつあるが)に書き込みを行うことで、バックアップを作ることができる。最大の障壁は「基板」だ。

Oh!FMの元記事にはプリント基板のパターンは掲載されており、自作する場合の「作り方」まで親切に記載されている。(引用:Oh!FM誌 1988年11月号)

が、これを実現するには、上記のプリントパターンを(両面の!)感光基板に写し取り、さらに表面・ウラ面の部品実装の穴が、ピッタリ完璧に一致していないといけない。自作する場合の最も高いハードルになるので、当時も「プリント基板」と「GAL」は「おすそ分けサービス」として提供されていた。

ただ、昨今は当時とは違い、基板のパターンが判っていれば、KiCadなどの設計ソフトを使い、業者に基板製作を発注する、ということが、個人でも比較的安価にできる状況となっている。
上記のプリントパターンを拡大コピーし、KiCad上に細かい配線を表・ウラ、全部手作業で写し取り、山西様のオリジナル基板のレプリカ製作を試みた。

左側が基板発注時のプレビュー、右が仕上がってきたレプリカ基板である。
オリジナル配線を完全にトレースしているが、動作確認LED(左上隅)に制限抵抗を追加できるように、1か所、パターン追加を行っている。これは、昨今のLEDは種類が沢山あって好きな色を選べるが、ものによっては高輝度すぎて眩しいことがあるので、その輝度を抑えるための抵抗、という意味だ。

注意深くKiCadにパターンを写し取ったかいあって、このレプリカ基板もオリジナル同様に動作している。なお、オリジナル製作者にも了解を得るべきだろう、、、と、このようなレプリカを製作したことを山西様にご報告し、製作したレプリカ基板も数枚、畏れ多くもご送付させて頂いた。

「すごくきれいにできてますね。何かの時には使わせてもらうかもしれません。」と、有難いメールをいただいたことを付記しておく。(深謝)

【追記】忘れていた。カードをFM-7本体に接続するためのL字型FCNコネクタ、これも現在ほぼ入手ができない。63C09カードの場合は40ピンのFCNコネクタになるが、40ピンコネクタよりはまだ入手可能性が高い32ピンコネクタで2個イチして作るか、あるいは40ピンの同じコネクタを使用しているパーツ(FM77AV用のビデオデジタイズカードなど)から剥がして再使用するしかなく、案外これが一番入手困難かもしれない。

63C09カード

 最初に自分のものとして触ったPCは、富士通FM-8ということになる。入手して1年後くらいには、後継のFM-7が発売され、ざっくり言って「動作速度が倍、価格大幅ダウン」というマシンだったので、当時はなんとか速度だけでもFM-7なみにならないか、ということで、マイコン雑誌記事など、「高速化」というのがかなり流行った。

使用マシンはFM系から9801系、Mac、PC互換機(Windows機)、と変遷して今に至るが、それぞれのマシンで多かれ少なかれ、「高速化」という事には、わりと心血を注いできた気がする。

それら「高速化パーツ」の1つに、FM-7用の「63C09カード」というものがある。FM-7(オリジナルでは68B09・2MHz)のMPUを、63C09(3MHzから最高6MHz)に置き換えることで高速化する、というものだ。

製作記事の初出は、FM系月刊誌「Oh!FM」1988年11月号。掲載された当時は、すでに使用マシンが9801系に移行していたので、興味はありつつも横目で見ていただけだった。

数年前のFM熱再燃時、あらためてこの63C09カードに興味がわき、先輩諸兄に背中を押されたこと、何よりも最重要部品である「プリント基板」を雑誌記事を書かれた山西様に頂けるという僥倖を得、また他重要パーツもほとんど先輩方に頂くことができ、最初の「63C09カード」を完成させることができた。


この後、万一のカード破損への備え、あるいは複数マシンへの搭載ということも考え、重要パーツのバックアップを考えるようになるのだが、、、それは長くなりそうなので別記事で書くことにする。

2026年1月18日日曜日

最近の買い物

 電子工作用の買い物。


はんだ槽とテーブルソー。

はんだ槽は電子基板からパーツ・ソケット等を外すため。また、パーツを表面実装するのにも使えるかもしれない。

テーブルソーはどのように使えるか。。。まだ未開封。

2026年1月17日土曜日

はじめに

ノスタルジックルーム、、、ということで、数年後には国内中波の放送停止であまり意味がなくなってしまう、BCLラジオの画像を最初に載せてみる。クーガ2200。中学生当時はこのクーガ(ナショナル)とソニーのスカイセンサーが双璧だったが、自分の使っていたのは若干価格が安かった東芝のトライX2000だったな。