2026年7月14日火曜日

FM-7の再整備(3:昔話)

 前回記事のフロッピーディスクドライブ(FDD)は、FM-8、FM-7に接続して使用していたが、おそらく自分の使用パソコンがNECの9801シリーズに移ったあたりで、本体とともに処分していると思う。

(・・・こう書くと、愛着のあったマシンをあっさり捨て去っているように思われるかもしれないが、プラットフォームが新しくなって、それまでのハード・ソフトも保持続けるというのはなかなか難しく、学生という当時の状況では仕方がなかった。)

それからのパソコン遍歴をざっと書くと、、、FMシリーズの後はNEC9801シリーズを何台か使い、その後はSE/30を皮切りにMacintoshシリーズをかなり長い間使用した。それから、仕事上 MS Office を使わざるを得なくなり、最初はMac版Officeを使っていたが、フォントや印刷時の余白などの微妙な違いから、デファクトスタンダードのWindows機への移行を余儀なくされ、、、現在に至る。過去に使用してきたマシンは、(SE/30など)いくつかはそのまま持っていたものもあり、FMシリーズや98(現有は9801USのみ)など、あとになっていくつか中古入手したものもある。


そんなわけで、、、今から10年ほど前、FMシリーズを中古入手した際にFDDも再入手した。FM-8(8088カード装備)でCP/M(86)が動作している画像があるので、少なくともその時にはこのドライブは正常動作していた事になる。

右画像のモニタ(まだブラウン管である。このブラウン管モニタも今では動かない)に表示されているのが、FM-8(画像下端)で動いているCP/M(86)の起動画面。

モニタとFM-8の間に見えるキーボードは、画面外のFM77AVにつながっている。

この当時所持していたFM機はこの2台のほか、おそらくFM-7も入手してあったはず。だが、FM77AVというマシンは、FDDが3.5インチであることを除けばFM-7の上位互換なので、ほぼこれがあればこと足り、FM-7はあってもしまい込んでいたものと思われる。


その後、FMシリーズは長く死蔵状態が続いていたが、メール履歴によるとおそらく2021年ごろにFM熱が再々燃。たまには動作確認でもしてみるか、と、FM-8の電源を入れても、ディスクドライブが正常動作しない。CP/MやOS-9のみならず、標準システムのF-BASIC(ディスク版)も動作しない。

・・・・・・ 困った。ディスクドライブが動かないということは、FM-8だけでなくFM-7も、DISK-BASICなどの基幹システムが動作しないということ。つまり、何もできないのとほとんど同義。

もう実務で使うことは全くない、趣味のマシンたちではあるが、正常に起動しないという状況は容認したくない。ネットで調べたり、ディスクドライブの配線や電源電圧を確認してみたり、まぁいろいろやってみたが、当時は(まぁ今でもだが)ろくな知識もなく、やれることには限界があった。

無謀にも、出品画像で比較的きれいそうな、FM用のドライブユニットを、ヤフオクでそれなりのいい値段で入手したりもしてみた。が、「接続するマシンがなく、動作確認はとれていません。」というような出品はまず動かないことがほとんどであり、わずかな期待はしたがやはり動かなかった。

ほぼ手詰まり状態の中、とあるヤフオク出品(と、その出品者)が、いろいろと事態を打開してくれることになる。

(つづく。。。)


2026年7月13日月曜日

FM-7の再整備(2:記憶装置)

 今やフロッピーディスクといえば、そのドライブのみならず記録メディアすらなかなか入手しづらくなっており、すでにその役割を終えつつあるレガシーデバイスの1つである。

今となってはそうなってしまったデバイスも、FM-8/7が活躍していた当時としては「最新式」であり、非常に高価だったため、一般ユーザーレベルで使用するにはハードルが高かった。

その時期、外部記憶装置として最もポピュラーだったものはカセットテープであり、富士通からも純正品としての「FMデータレコーダ」という周辺機器が発売されていた。(画像はネットから探してきたもの)

これはOEM品であり、実際に作って富士通に供給していたのはサンヨーである。サンヨーからもロゴ違いのまったく同じ製品が出ていて、そちらのほうが若干安かったので、自分はそのサンヨー製のものを使っていた記憶がある。

当時の自分の使い方として、まずFM-8の電源を入れる(= F-BASICが立ち上がる)と、まず「拡張モニタ」をカセットテープから読み込ませる、というのがルーティンだった。

モニタというのは、16進数で表される機械語をマイコンで読み書きしたり、プログラムを実行したりするためのシステムプログラムである。F-BASICにもともと備わっているモニタは使い勝手が悪かったので、当時の月刊誌(I/Oなど)に掲載されていた「拡張モニタ」を入力し、それをカセットテープにプログラムとして保存(セーブ)しておき、必要に応じて読み込ませる(ロード)。時間もかかり面倒だが、外部からプログラムを読み込む方法としては当時はこういう使い方が当たり前だった。というか、それしか方法がなかった。

市販のゲームや少々のアプリケーションプログラムも、ほぼカセットテープのメディアで供給されていたものが多かったと思う。

大学生の身でフロッピーディスクを導入するのは金銭的にほぼ無理だったので、ある程度安いフロッピーディスク装置が発売されるまではこういう状態が続いていた。


その、「ある程度安いフロッピーディスク装置」というのが下の画像のものである。


画像左側(これもネットから拾った)が、シングルドライブの富士通MB27607。右側(こちらは自前画像)は、それに2台目のドライブを接続した状態である。(MB27607+MB27608)

シングルドライブでも、定価でやっと10万円を切った、という価格であったが、非常に無理をすれば手が届かない事もない、というお値段。非常に無理をして購入した。当然シングル。当時はディスケット(フロッピーディスクのメディア。「ディスケット」はIBMの登録商標。)も安くなく、1枚1枚とても大事に使っていた。と思う。

フロッピーディスク装置には思い入れが強いので、ついつい思い出話のようになってしまう。

(つづく。。。)

2026年7月12日日曜日

FM-7の再整備(1)

 かーなーりー久しぶりの記事になる。。。

以前の記事にも書いた通り、私の初パソコンは富士通のFM-8である。愛着もあり、後継機のFM-7が出てきた後も、高速化改造などしてそれなりに使い倒した。当時としては非常に高価だったフロッピーディスク(以下FD)ユニットも購入し、DISC-BASICを基幹として使用していた。

ただ、改造を繰り返して再起不能の故障を起こしたり、(FM-7系列に比べて)アプリケーションソフトの不足から、結局はFM-7に乗り換え、その3.5インチドライブ版のようなFM-77を、9801系列を使うことになるまで使っていた。

FM-7は、前身のFM-8に比べて、比較的機能拡張が容易なように設計されていた。具体的には、本体上部の比較的アクセスしやすい所に、汎用の32ピン拡張スロットが2基、Z-80カード専用の40ピン拡張スロットが1基、用意されていた。


また、上記画像にもあるが、本体後部には50ピンの拡張バスがあり、これはFM-8とほぼ共通仕様のため、このバス経由で使っていたFM-8用FDユニットは、そのままFM-7でも使うことができた。

FM-7は、ホビー用途としての意識が強い設計だったのか、FM-8に比べて、動作速度や、グラフィック面・サウンド面ではかなり強化されているが、反面、不要と判断されて削ぎ落とされた機能もある。

「RS-232Cインターフェース」がその筆頭で、FM-8では本体後面にあったものが、FM-7では汎用拡張スロットにIFカードを装着して機能を実装するようになっている。

また、いわゆる「漢字ROM」も、FM-8では本体をあけて、内部のICソケットにユーザーが直接マスクROMを挿入して実装する方式だったのが、FM-7ではこれも拡張スロットに漢字ROMカードを装着する仕様になった。実装の難易度としては下がったと言える。

本体の機能を必要最小限とし、その他に必要な機能はユーザーごとに拡張カードを選択して実装する、という方式は合理的と言えるが、状況によっては拡張カードを装着するスロットの不足に悩まされることにもなった。

すでに流行の兆しが見えていた、インターネットの前身とも言える、いわゆる「パソコン通信」を行う場合、まず通信を行うための「RS-232C インターフェースカード」は必須、 曲がりなりにも日本語を扱うための「漢字ROMカード」も欲しい、となるとすでにその2つで本体の拡張スロットは埋まってしまう。

FDによるDISK-BASICのシステムも、一度使うとその快適さからカセットベースのシステムに戻ることが難しいので、私はFM-8の時に使っていた、本体後面の拡張バスに接続する方式のFDインターフェースカードをそのままFM-7環境でも流用して使っていた。もちろん、本体拡張スロット用にFDのインターフェースカードも用意されていたが、上記のように用途によってはすでに空きスロットが無いため、そのようにせざるを得なかった。

ほどなくして私は、3.5インチFDD仕様のFM-7、つまり「FM-77」に移行したため、スロットの不足からは一応開放された状態になっていた。

FM-77は、3.5インチFDDを本体内に2台内蔵、漢字ROM機能も内蔵されていた。つまりFM-7では拡張カード等を使わざるを得なかったこれらの機能は拡張スロットを使う必要がなくなった。RS-232C IFは拡張カードが必要だったが、これをスロットに内蔵してももう1基スロットがあいていた。

FM-77については、400ラインセットとか、F-BASIC v3.5 とか、書きたい記事がいろいろあるが、それはまたの機会とし、この記事では「FM-7」に絞って記載することにする。主に、

・富士通純正「ではない」FDDユニットを、FM-7でどのように使うか
・不足ぎみの拡張スロットをどのように補うか

ということになろうかと思う。  (つづく。。。)

2026年6月1日月曜日

スーパースワン D101S その後

 【スーパースワン 低域量感調整(パイプ音の改善)】 2020.11/3

音工房ZからいただいたPDFファイルを参考に、気になる中低域のパイプ音調整を試みた。

スーパースワンの低音は、ユニット背面から内部音道を通ってきて最後に背面の開口部から放射されるのだが、その最終段階で半分強、せき止めるような感じになる。これは「BHBS」の手法だ。

BHBS:バックロードホーン・バスレフ。バックロードホーンの最終開口部を適切に「絞る」ことで、中低域のパイプ音を抑え込み、かつローエンドも伸ばすことを狙った、音工房Zお得意のエンクロージャ方式だ。バックロードホーンとバスレフのいいとこ取りのような感じになる。

最終音道の奥行110mmのうち半分強を塞ぐのが良いようだが、あまり塞ぎすぎるとかえって低音が出なくなる。ホームセンターの工作室で、55mm、65mm、75mmの板を4枚ずつカットしてもらった。余りがちょうど45mmになったので、10mm刻みで45mm~75mmの効果を試そうと思えば試せるが、、まぁあまり変えることもないかも。

ただ、若干の欠点はあっても「オリジナルのスーパースワン」の状態に戻せるようにしておきたいのと、板の交換もできるようにはしておきたいので、塞ぎ板のほうには鬼目ナットを埋め込み(このため、木口が弱いベニヤを避けて板厚18mmの集成材にしてある)、本体には通し穴をあけて、六角穴付ボルトで締めた。けっこうしっかり締まったので、接着したのと同程度の効果にはなるだろう。他の板材にも同位置に鬼目ナットの埋め込みをしておけば交換することもできるし、オリジナルに戻すなら外せる。(穴が気になればボルト・ナットで止めればいい)

推奨の範囲内で65mmを採用したが、今のところ「効果絶大」と感じている。



後日、ボディ天板の穴から砂粒状鉛を15kg、左右それぞれ7.5kgに分けて、ビニール袋に入れた状態で詰め込んだ。長岡氏の著書にも、「この鉛はパーツのひとつとして考えて欲しい。」との記述もあるからだ。これで本当に完成である。

スーパースワン D101S 塗装(3)

正面の塗装が完了。塗装後の磨きにはなんとなくキンチョーの「サッサ」を使ってみたら適当なツヤも出て良い感じだった。


鬼目ナット部分のマスキングシールをくり抜くのが地味に面倒だな....と思っていたが、以前革細工の時に持っていたポンチがちょうど良いサイズで、印鑑を押すような感じで簡単に塗膜が抜けた。

内部にクイックルワイパー製の簡易吸音材を両面テープ止めし(まずいとなれば外すのも簡単)、背面にはターミナルを取り付ける。いよいよ完成へ。 


フォステクスの10cmフルレンジユニット、FE108EΣを取り付ける。ユニットには一応木ねじが付属してはいるのだが、鬼目ナットを埋め込んでいるので、別途用意した六角穴付きボルト(M4x12mm)を使用。ホームセンター等で売ってるのは銀色のボルトしかなく、似合わないと思っていたので、わざわざM4x12mmのブラックステンレス製のボルトを注文してあった。見栄え大事。
やっと完成!!(でも深夜のため音出しできず。明日まで我慢!)

完成と書いたが、、、日中の光で見るとあまりにも色ムラの許せない所が、、、

結局ボディ天板にもうひと塗りして完成とした。 音出しの感想は…これが良くも悪くもバックロードホーンなのかな、と。中低音に独特の共鳴があり、ソースによっては耳につく。 鳴らし込むと(エージング)改善してくるとは、とくにスワンの場合よく聞くが。 包み込まれるような音場感はさすがに素敵だと思う。とにかく、憧憬のあった「スワンが作れた!」ってことで満足。

スーパースワンを、故 長岡鉄男氏が設計されたのは1992年、もう30年以上前になる。これは、当時フォステクスから限定販売されていた10cmフルレンジ、FE108Superを使用するのを大前提として設計されたエンクロージャ(箱)だ。
箱と、それに装着するスピーカーユニットには密接な関係があり、相性の悪いユニットだと箱の能力が活かせない、ということが起こる。スーパースワンはバックロードホーンの一種であり、当時の限定ユニットは入手できなくても、特性が似ている、少なくともバックロードホーン用として作られたユニットということで、今回はFE108 EΣを選択した。
スワン系の特徴としては、包み込むような音場感が素晴らしいこと、10cmユニットのスピーカーとしては非常に低音がよく出ること。欠点としてよく言われるのが、中低域のボーボーというパイプ共鳴音。今回作ったスワンでもやはりこの共鳴音があり、クラシック、とくに弦楽器の再生では好ましい響きとして耳に届くが、ポップス系ではバスドラの響きが強調され過ぎて不快にも感じる。
スワン系は昔から非常に多くの人が作っているので、その欠点もよく知られている。自分がスピーカー自作にはまったきっかけの「音工房Z」でも、スワンの低域量感調整キット、なるものを販売していた時期があった。ものとしては単なるベニヤ板であり、スワンの背面、最終開口部の音道を狭く絞ることによってパイプ共鳴音が減らせるという評判。
問い合わせたところ、「在庫なし、おそらくこのまま絶版予定」とのことだった。が、おそらくは商品に付属するであろう解説PDFファイルを頂くことができ、「参考にしてご自身でベニヤを付けられれば調整可能です」との連絡をいただいた。
PDFを参考に適当と思われる寸法でベニヤをクランプで仮止めしてみると、劇的な効果あり。
最終的にはネジ止めすると思うが、音道をどれくらい絞ったら一番効果が高いのか、数種類の板サイズで試してみようと思う。

セッティングについて追記する。鉄筋コンクリート部屋、しかも部屋の隅というのは最も低音がこもりやすい環境であり、隅から離す、スピーカーの高さをとる(インシュレータ等を使用して床から離す)、等をすることによって過度な低音というのは相当に軽減される。左の写真のような「足」を6個作り、左右のスワンそれぞれの前端に2個、後端に1個置いた(このような3点支持は長岡氏も推奨している)。試行錯誤でこのセッティングに落ち着いてくるまでの間、当然スピーカーのエージングも進んでいるわけで、製作直後に比べて見違える(聴き違える?)ほど聴きやすい音になってきている。





スーパースワン D101S 塗装(2)

・次に背面。非常に苦労している。凹凸が多めなのと、何より背面にはバックロードの開口部がある。この内面をハケ塗りするのが予想以上に大変だった。ハケでムラなく塗るのは非常に難しく、ここを完璧に塗装している人は、接着部分をマスキングしてあらかじめ塗装してから箱組みをしていることが多い。
だが、板の向きを変えたり裏返したりして誤差修正しながら箱組みをしている自分にはその方法は取りにくい。
ただ、底面程度の濃さまで塗り重ねをすることによってだいぶムラは目立たなくなるはずなので、できるだけやすりがけをしながら少しでも均一になるように努力はする。(まぁ、使ってる時には全く見えない部分だが。) 



最初に塗った底面を下にして、上面を塗装終了。このように「塗った面を下にする」というのがとても心配。以前の作で、微妙に塗装面に汚れが付着したり、逆に部分的に塗膜がはがれてきたりすることがあったが、、一応大丈夫だった。
まぁ、底面は何かあっても目に入らないし。

横にして、片側の側面を塗装。色はこんなもんだろう。
これをひっくり返して、今塗った面を下にして反対側の側面を塗る時が怖いが。
「ユニット周辺にクイックルワイパーのような、軽い吸音材を入れると良い」という先人の知恵があって用意しているんだが、これを広げて下に敷いてやると塗膜保護によさそうな気もするので、やってみるつもり。


クイックルワイパーは良かった。滑りがよく、重量がかかってもくっついたりすることがない。塗装後も全く大丈夫だった。
さてこれで残りの面は正面だけになった。ここでの注意はやはりバッフル部分。スピーカーユニットを取り付けるための鬼目ナットが埋め込んであるので、塗料が入り込むとネジ穴が埋まって取り付け不能に陥る。
100均で買った円形マスキングシールを鬼目ナットの上に貼る。大きさピッタリ。あとで剥がすつもりはなく、この上からどんどん塗装してしまう。薄いシールなので、ユニット取り付け時にデザインナイフ等で円形にくり抜いて取り付ければ良い。











スーパースワン D101S 塗装(1)

 箱の完成後、すぐに塗装にかかる。今回は箱の凹凸が複雑なのでオイルフィニッシュにしようかと当初は考えていた。が、余り板で試し塗装をしてみたところ、塗装というよりもなんだか土で汚れたような感じになってしまい、断念。シナベニヤ表面との相性が悪いのかもしれない。結局、過去作で下手なりにある程度慣れている、水性ウレタンニスで塗装することにした。

・ひっくり返して底面から始める。最初に塗装をした面は、あとで他面を塗装している時に下向きになることがあるので汚れやすい。一番目立たない底面、次に背面と塗装していき、一番最後に目立つ前面を塗る、というのがこれまでのささやかな学習結果だ。1000番のペーパーでできるだけツルツルになるように研磨後、水性サンディングシーラーを3回塗り。

・その後、まずはツヤありウォルナット色を3回塗り、
・次にツヤ消しウォルナットも3回塗り。
・最終的には黒に近い、かなり濃いツヤ消しウォルナット色にしたい。ウォルナットだけの塗り重ねだと回数の割にあまり濃くならないので、「ツヤ消しウォルナット+ツヤ消しブラック」の混合塗装とした。まだ濃くしたい。



・最終的に色はこの底面程度の濃さを基準にすることに。他面を塗る際に若干の差異は出るだろうが、まぁ同じように見えればいいかなと。

2026年5月31日日曜日

スーパースワン D101S の製作(6)

 ・休日。午前中はひたすら研磨。サンドペーパー、研磨シートで600番まで磨いた。まぁ塗装前にはまだ磨くが。

・上部(頭・ネック)と下部(ボディ)を接着してしまうともう内部には一切手が入れられない。その前に、設計者・長岡鉄男氏の著書にある通り、底板にフェルトの吸音材を敷く。すでに音道の板が入っているのでなかなか難しいが、寸法を測ってサイズにフェルトを用意しておき、接着剤を上から滴下し、吸音材を置いて手や棒を使って何とか位置を整える。





・木工の最終工程。前面補強板を接着する。エンピツでセンターをチェックした時に気づいたのだが、キャビネット全体のカドを落とす(若干のアールをつける)時、誤ってこの補強板を付けるところもアールをつけてしまっていた。なので前板と補強板との間に、アールの分だけ少しスキマができてしまう。
・むぅ.....仕方ない。木工パテで埋めよう。
これで木工の工程はほぼ終わり、と言ってもいいのだが。


・せっかくなのでやっぱりバッフルの加工をする。スワンを含むバックロードホーンは、「中高音はユニット前面からの音を直接聴く」「低音はユニット背面からの音をバックロードを通して聴く」ので、とくにバックロード向きのスピーカーはユニット背面に強力な(大きな)マグネットが付いていることもあり、バッフル板の厚みで背面への音放射がさえぎられ気味になる。そのため写真のように、取付ナット以外の部分を、(もちろんユニット周囲にスキマができたりしない範囲で)花弁状に削り込む、ということがよく行われる。
判ってるなら最初からやっとけよ、、と。板の状態で加工しといたほうがはるかに楽なのに。箱になってからやるから苦労する(自虐)。
もちろんネックを通ってボディに木くずが入らないように養生テープ使っている。


・これでやっと木工は完成。ユニットとターミナルつければ音が出せる。なんか凹凸が見えるが、鬼目ナット周囲のわずかな板ハガレなどはパテ埋め・研磨している。
が、、、ユニットつける前に塗装しなければ。まだまだ続く。



次回より塗装工程。


スーパースワン D101S の製作(5)

 雨の間は外での工具使用ができず。

・その間は、、当初そこまでやるつもりがなかった、内部音道の整理をすることにした。
バックロードホーンは、そのボディ内部に、徐々に断面積が広がる音道が折り畳まれている。木材で折り畳み構造を作る関係上カドが多いのだが、できれば直角を避けたほうが良いと言われている。
音道整理と書いたが、要はその直角を減らすこと。凸の直角は以前作った道具などでカドを丸める(アールをつける)。凹の直角はそのカドに小さな直角三角形断面の木材を追加して角度を和らげる。
どれだけ効果があるのかはわからないが、、

・そして完成間近になって大問題が発覚。実は以前自分で切り出したベニヤは、同じように表面材にシナが張られた板でも、内部構造が違う「ランバーコア」という名の板だった。使用した他のシナベニヤ材に比べて軽く、若干衝撃に弱い。正直「スピーカー用の材として適しているとは言い難い」という材料だったのだ。切断面が若干違うな、、と思った時点でもっとよく確認・検討するべきだった....と、かなり落ち込んだ。
・そのランバーコア材は、頭とボディをつなぐ「ネック」に使っている。どうしようか非常に迷ったが、ネックのまわりをシナベニヤ(薄めだが)で全部覆い、補強をすることにした。
オリジナルに比べてわずかにネックが太くはなるが、ぎりぎり不自然ではない、、と思う。
左右で外観が違うのは嫌なので、ランバーコアを使っていないもう片方にも同じ補強を施している。



ネック補強前後の比較写真。


スーパースワン D101S の製作(4)

 ・ネックの上には当然顔(スピーカーユニット部)が乗るわけだが、顔の底板もスペーサーをかませて位置をキッチリ決める。これも内部に隠れて見えなくなる部分なのでネジを併用してしっかり固定した。



・顔の側板の位置決めに予想以上に手間取る。パーツは小さいのだが微妙に直角が出ていないとかで、一見側板がちゃんと立ち上がっているように見えても天板を乗せると1mmほどの誤差があったりとか。総合的にもっとも誤差を平均化というか、分散していき、トリマー・サンダー等で可能な限り段差をなくす。
・側板と底板の境目には、誤差修正と補強のため、丸棒を1/4にしたものを寸法に切って入れ込んだ。この細さなら空気室に対する悪影響もほぼないだろう。


・全体の形ができてきた。ボディ本体は天板・底板とはまだ接着していない。内部に吸音材を入れるかどうか。天板を接着してしまうともう出し入れはできないので、もう少し検討しつつ、やれるところは面取り・研磨に入るか。。。
そろそろ、塗装をどうするかも検討しないと。

・ボディ底板の接着。接着面積が多く最初に板を置く位置がズレてしまうと修正は困難を極めるので、位置決めは慎重に慎重を重ねる。自作派諸兄のやり方に自分なりの工夫を加えた。
まず接着位置を慎重に決定したら、その状態で四隅に仮クギを打つ。底板を貫通してボディにも少し食い込むくらい。

・いったん仮クギを抜き、底板を外すと、四隅にクギ跡が残っている。そこに再度仮クギを中ほどまで打ち込む(位置決め穴を明確にするため)。


・再度仮クギを抜き、最初の底板に仮クギを戻し、5mm程度先端が出る状態にしておく。


・この状態でボディに接着剤を塗布し、仮クギの刺さった底板を、ボディに慎重に置く。四隅に位置決め穴があいているので、そこへ仮クギの先端を合わせる。
位置がしっかり決まったらズレないように押さえつけ、四隅の仮クギを最後まで打ち込む。クランプでしっかり締め付け、圧をかける。
この仮クギによる位置決めのおかげで、クランプで強圧をかけてもズレることなく圧がかかるという訳だ。(仮クギは接着後抜く)




スーパースワン D101S の製作(3)

 ・四角柱は、スワンの首にあたる。この周囲にも補強板が付くので、接着の誤差はトリマー+目地払いビットで出来るだけ払う。


・上には頭(スピーカーユニットが入る)が、下にはボディ(バックロードホーン)が付くので、木口面も出来るだけ平滑にしたい。ベルトサンダーは本来こんな使い方しちゃいけないのだが…


・細かいパーツで、同じ構造・同じ高さのものはクランプでまとめ、手作業でやすりがけをする。


・中盤の難関、ネックとボディ天板の接着。天板の最前面から10mmという中途半端な(15mmなら、使用している板厚と同じなので板1枚でのスペーサーとかやりようがある)位置への接着なので位置決めが難しい。ズレると、ネックの音道とボディの音道のつながりが悪くなってしまう。


・なんとか探してきた10mm厚の板切れをスペーサーにかませ、クランプで締めてガイドを作り、きっちり板前面から10mmのところにネック前端が位置するように接着できた。


・おそらくここが一番応力がかかりそうなので、内面で見えないし裏側からもネジでギチギチに締め上げる。少々過剰だったかもしれん(苦笑)


・頭はまだパーツがバラバラだし、頭・ネック・ボディもまだ接着されていないが、ようやく完成形の輪郭が見えてきた。


スーパースワン D101S の製作(2)

 ・前半の山場。音道の内部構造が組みあがった状態で横倒しにし、難関の側板接着にかかる。最初の写真で互い違いになっている4枚の縦板の上面に側板を載せてみる。板のカット精度が充分でも、これまで接着してきたわずかな誤差が顕在化し、3枚目の写真のように浮きが出る。




・ただ、仮にカット誤差と接着誤差がゼロでも、板の浮きはゼロにはならない。理由は、乗せる板のほうに微妙な反りがあるからだ。そのため、板の方向を変えたり裏返したりして乗せてみると、浮きの出る場所も違ってくる。端の板に出たり、両端が大丈夫そうでも内部の縦板との間にスキマが出たりする。結局、現物合わせでやるしかない。
・横からのぞき込んでもどの場所が当たっているのかはっきりとはわからない。試しにカーボン紙を挟んで強く抑えてみたが、全く色はつかず目安にならなかった。紙を短冊状にしたものをはさんでみて、浮いてるところ・当たってるところを判断しつつ、サンドペーパーで削る。また紙をはさんで、削る。

・四苦八苦しつつ、なんとか最後の写真のレベルまでもってくる。あとは接着剤とクランプで押さえつけるしかない。この側板は一番外側なので見栄えのためにもネジは使わない。



スーパースワン D101S の製作(1)

 実はもうこれも数年前の製作になるが、製作記録がSNS上にあるだけなので、ブログにも保存しておくことにする。。。文章はSNSにアップした当時のほぼそのままである。
(製作はおおむね、2020年の9月~10月にかけて行っている)
                                          

無謀にも長岡鉄男氏設計のアレ、つまりはD101S「スーパースワン」の製作に取り掛かる。
東急ハンズ名古屋で15mm厚シナベニヤのカット・穴あけを依頼。サブロク定尺(3尺x6尺。だいたい910mmx1820mm位)で2枚と1/3くらいの板量になる。ヤマト運輸から2個口で届いた。


胴体部分を仮組してみる。写真は接着もなにもしておらず単に設計図通りに板を載せてみただけだが、なかなかのカット精度で目立つスキマも無かったのでひと安心した。ハンズ7階の工房担当さんに感謝。たぶん製作は長くかかるのでちまちま進めていく。

                                          

・スワンのような「バックロードホーン方式」のスピーカーは、音道(音の通る道。管楽器で言えば管にあたる)の寸法精度・密閉が何よりも重要。接着剤だけだと心もとないところもあり、隠されて見えなくなるところはネジも併用して締め上げる。

・接着操作のミスでシナベニヤの表面が派手に剥がれてしまったところがあり、やむを得ず近所のホームセンター工作室で自分でカットしなおし。