以前の記事にも書いたように、FM-7の機能拡張というのはほぼ、拡張スロットを使用して増設カードを装着する、という形になる。本体内に3基ある拡張スロットのうち、Z-80CPUカード(または以前の記事にもある63C09カード)専用の40ピン拡張スロットは別として、汎用的に使用できるのは、2基の32ピン拡張スロットだが、現在、市販品や自作品問わずこの拡張スロットに装着するカードを列挙してみると、、、
・FDCカード
・漢字ROMカード
・EXAS-FMコンパイラカード
・FT245高速通信カード
・増設サブシステムカード
・RAMディスクカード
・RS-232Cカード
・RTC(リアルタイムクロック)カード
思いつくだけでも手元にこれだけある。もちろん、全部が必須ではないし、増設サブシステムカードなどは、Oh!FM(1989年8月~)の記事をもとに実験的に作ったものの、動作確認したあとはほぼしまい込んでしまっているが、それでも必須級のカードとして、FDCカード・FT245通信カードはほぼ外せず、できれば漢字ROMカード・EXAS-FMコンパイラカードも常置しておきたい。。。。。となると、絶対的に拡張スロットの数が足りない。
前回記事のFDCカードを作られた Old68fun様は、この問題の解決策も模索して下さっている。
FM-7/8の後部50ピン拡張バスには、その信号表をマニュアルで確認すると、32ピン拡張スロットとだいたい同じような信号が出ている。
細かい説明は省くが(説明できないので省かざるをえないが)、単純にピンの数は50ピン拡張バスのほうが多い、しかし実は信号の種類としては、32ピン拡張スロットのほうにしか出ていない信号がある。それは上の表で
赤線を引いた、2.5MHzのクロック信号と、+/-12Vの電源である。
ただその信号も、ごく一部のカードにしか使われておらず、そういった信号(クロック・12V電源)が無くても問題がないカードも多い、とのこと。
Old68fun 様は数年前から、「後部50ピン拡張バスを使った、32ピン拡張スロットの増設」に取り組んでおられ、上記「クロック信号」「12V電源」についても順次回路を付加して、「32ピンスロット完全互換の増設ボード」まで実現させている。
増設ボードは2階建てになっており、1階部分はFM-7との接続コネクタのほか、必要に応じてバッファ回路やクロック信号・電源回路がつき、2階部分は32ピン拡張カード用のコネクタが並ぶ、という構造になっている。この1階基板も、バッファ回路のあるなし、クロック等他回路のあるなし、でバージョンがいくつかあり、どれかのバージョンでは(スロット上の拡張カードが)動作しないが別のバージョンでは正常動作する、というようなことがわりと起こるので、試行錯誤的に選択使用をしている。
上画像、左側は「バッファなし」「クロック回路あり」「12V電源なし」の1階基板。
右側は、「バッファあり」「クロック回路あり」「12V電源回路は未実装(パターンあり)」。
バッファはなしよりもありのほうが、FM-7との接続ケーブルを長くしてもエラーが起きにくい、らしい。ならば全てバッファありのほうがいいのではと思うのだが、バッファがあると今度は何らかの相性なのか、カードの種類により動作に不具合が出るような場合もあり、いちがいには言えないのが難しいところ。現状は左側のバッファなしの1階基板を使用している。(電源回路が必須の拡張カードは使用していない)
2階部分は、基本的に32ピンコネクタが複数並んでいる構造。ただ、その配列には工夫があり、富士通純正のコネクタ(FM-7本体スロットと同じ32ピンレセプタクルコネクタ)が基本だが、拡張カード用のオスコネクタと同じく製造販売中止で入手難のため、その富士通コネクタの代替として、一部、「拡張カード側には汎用の32ピンL字ヘッダ」、基板側にはそれを受ける「ピンソケット」を、排他的に使用できる構造になっている。(富士通コネクタと汎用コネクタのどちらか片方のみ使う形)
上の画像の右側が、純正?というか Old68fun 様オリジナルの2階基板。拡張スロットを4基(基板のバージョンにより差異あり)、装着可能で、そのうち2基は汎用コネクタとの排他使用。
1階・2階基板とも、設計された Old68fun 様の基板をずっと(パーツは当方で実装して)使用していたが、ごく最近、2階部分だけを(例によって設計データを頂いて)小改造させていただき、現在は上画像の左側の構成としている。
実際の拡張カード実装状態が下の画像。
増設スロットをFM-7に装着し、横から見た状態。奥側(画像で右側)から順に、
(1)FDCカード (2)漢字ROMカード (3)EXAS-FMコンパイラカード (4)FT245高速通信カードで、もう1基、拡張スロットに余裕がある。
画像にも赤字で書いたが、スロット数を欲張ったため、2階基板が1階基板より若干はみ出している(画像では左側へはみ出し)。ただ画像を見てのとおり、最下段に安定のためのアクリルベースを自作して「足」としていることと、1階基板の左側にはFM-7と接続するためのコネクタ・ケーブルが出ているので、2階基板のはみ出しはほとんど目立たない。
実際の運用状態はこんな感じである。この「増設」拡張スロット基板を使用する場合は、FM-7本体にもともと装備されている拡張スロットは使用しないほうが無難らしい。もし問題なく併用ができるならもちろんその分スロット数にさらなる余裕が生まれるが、FT245高速通信カードでの通信結果にエラーが出たり、過去の経験では漢字ROMのデータにノイズが混ざったり、コンパイラカードの動作に支障が出たり、といったことが起こり、本体スロットを使わずに増設側のスロットだけを使用したほうが好結果だ、ということが(経験則で)わかっている。
FDCカードの恩恵で、現在、FM-7には常時2台のフロッピーディスクがつながっている。画像左側のように、ドライブ0(起動ドライブ)が3.5インチ、ドライブ1が5インチ。FM-7と、FM-77/77AVまでのディスクドライブは、同じ2D(320KB)ドライブであり、物理的なサイズが違うだけで電気的にはほぼ互換なので、このような3.5インチ/5インチの混在もできる。
FDC(8877A)はもともと4台までのドライブが制御できるので、それぞれのドライブ自体にドライブナンバーをきちんと設定しておけば、さらにケーブルを延長して合計4台のドライブが使用できる。
画像の3.5インチドライブは、富士通FM77AV純正のドライブ(2D=320KBの3.5インチドライブは富士通純正品以外を見たことがない)だが、5インチドライブはもともとNEC PC-8801に内蔵されていたドライブを外し、ジャンパスイッチを適切に(試行錯誤なのでそうとしか言いようがない)設定し、純正ドライブとほぼ同じ使い方ができるようにしてある。F-BASICのシステムディスクだけでなく、OS-9、FLEX、(Z-80カードを使用して)CP/M等のOSも、オリジナルのシステムディスクで正常に起動する。互換性については全く心配していない。
。。。ここでふと思いついて、「漢字ROMカード」だけを、増設スロットから本体スロットのほうに移してみた。ついでに自作の「ドライブNo.入替アダプタ」を、FDCカードとドライブとの間にかませておく。
とりあえずこの環境では、漢字表示のテストプログラムにも異常はみられないようだ。漢字ROMカードを選んだのは、データの行き来がほぼカードからの「出力」のみで、なにかしらのデータ異常(ノイズ混入)などあった場合でも、おそらく結果として現れるのは漢字表示の乱れくらいで、致命的な動作異常にはならないだろう、、、と判断しての事である。
これがコンパイラカードやFT245通信カード等だと、おそらくデータがカードとFM-7本体との間で双方向に飛び交うことになりそうなので、エラーが起きた場合の弊害が大きいのではと、そんな気がする。
過去画像を確認してみたが、漢字表示でエラーが起こる時は、こんな感じの表示になる。
一応「漢字」と読めはするが、ところどころドット抜けが起こっているのがわかる。それも、それぞれの文字で同じ抜けになっているのではなく、微妙に異なった位置のドット抜け。
こうなった場合の拡張カードの構成は、1階基板に「バッファあり」の基板を使い、漢字ROMカードを「FM-7本体スロット」に装着した状態だった。
また、漢字ROMでなく、EXAS-FMコンパイラカードを本体スロットに装着してみた場合は、コンパイラ起動の「EXEC &HFD40」を実行すると、連続BEEP音が鳴って暴走したり、あるいは勝手に再起動がかかったり、異常な挙動を示した、という記録がある。
そのため、とくに「バッファあり」の1階基板を使用する場合は、本体スロットとの併用は考えないほうが良い、という結論になった。たしか、バッファあり基板を使用した場合は、FDCカードも本体スロットでは正常動作しなかったはずである。
左端の「ドライブNo.入替アダプタ」は自作品。ドライブが4台つながっている場合、ドライブNo.は通常、ドライブ自体の設定通りに、「0/1/2/3」と解釈されるのだが、ロータリースイッチの操作で、
「0/1/2/3」→「1/0/3/2」に切替(意図は、ドライブ1の5インチディスクからの起動)
「0/1/2/3」→「2/3/0/1」に切替(増設した5インチ2台を0、1として使用する)
のように、簡便に切り替えられるようになる。ドライブNo.の変更は通常、5インチドライブは内部基板のジャンパピンの付け替え、3.5インチでもドライブ裏側のスライドスイッチの切り替えが必要で、とくにドライブが(自作簡易タイプとはいえ)ケース内に組み込まれた状態だと非常に面倒だった。このアダプタを作ったことでそれもかなり楽になった。
ちなみにこのスイッチ切替は、ドライブの読み書き中でなければ、通電状態で切替を行ってもほぼ問題はない。システムが起動してからでも動的に切り替えることができる。(が、誉められた事ではないかもしれない。。。汗)
次の記事は、FDCと同じくらい自分の環境で必須となっている、FT245高速通信カード、およびFM-7系列のエミュレータ「XM7」に関する記事になりそう。
つづく。。。